防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
図20.9 クラカタウ火山の1883年噴火
インドネシア・クラカタウ火山はジャワ島とスマトラ島との間にあり,交通の要所スンダ海峡の南西100kmに位置します.1883年の大噴火により海底に大きな陥没カルデラが形成され,これによって生じた最大35mの高さの津波により,約3.5万人の死者をだしました.また,40km離れたスマトラ島南端に到達した火砕流により,約1千人の死者がでました.噴出物の総量は20立方kmで,その大部分は火砕流でした.中央のアナク島は溶岩ドーム成長により1927年に海上に出現したものです.図示したカルデラは幾度もの火砕流噴火により形成されたもので,それ以前には高さ2,000mを超える成層火山がそびえていたと推定されています.
客員研究員 水谷武司