防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
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図19.5 1991年ピナツボ火山噴火による火砕流と泥流の流下範囲 (兼岡・井田,1997に基づき作成)
1991年のフィリピン・ピナツボ火山の噴火による噴煙柱崩壊型の火砕流は山頂から20kmまで達しました.火山泥流は火砕流末端から流れ出し,山頂から40km以上の距離のところまで到達しました.比較のために左上に示した雲仙岳における1991~1994年の溶岩崩落型の火砕流は,最大で山頂から5kmまで達し,2次的土石流は6kmのところまで流れて有明海に流入しました.
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兼岡一郎・井田嘉明(1997):火山とマグマ.東京大学出版会.
客員研究員 水谷武司