防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
図18.7 危険火山に近接する集落の接近度
火山への接近の程度を示す簡単な指標には,山頂火口からの水平距離の他に,頂上火口を見上げる角度(仰角)があります.最近1,000年間に噴火のあった火山に近接する集落(数軒程度までの温泉宿や山小屋を除く定住集落)を対象にした場合,仰角で最大は,桜島西海岸の温泉・農業集落および火砕流で被災した雲仙普賢岳東面の農業集落です.水平距離が最も小さいのは,2000年噴火により被災した有珠山北面の温泉街です.都市で仰角最大は雲仙岳東面の島原市です.写真左は火砕流で埋められた上木場北地区跡から見上げた雲仙岳(平成新山)です.写真右は有珠山の2000年噴火をJR洞爺駅から撮影したものです.これらの火山では接近度が大きいことがよく分かります.(写真は気象庁提供)
客員研究員 水谷武司