防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
図18.2 雲仙岳1990~93年噴火による火砕流と土石流
噴火活動は1990年7月から始まり,91年5月からは火砕流が発生しはじめました.火砕流は最初は東面の谷間に流下し,6月3日には43人が犠牲になりました.谷上部の埋積が進んだため,8月半ばからは北面にも火砕流が向かうようになりました.溶岩ドームの成長は94年末にほぼ停止し,その標高は本峰(1,360m)よりも130m高くなりました.土石流は91年5月半ばから発生し,総回数は124でした.図には死者1.5万人をだした1792年の山体崩壊・岩屑流の範囲も示しました.
客員研究員 水谷武司