防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
写真14.2 木曽御岳の巨大崩壊と岩屑なだれ
木曽御岳は富士山に次いで標高の高い大型成層火山です.1984年長野県西部地震(M6.8)により,土砂量3,600万立方mの巨大崩壊(A)が発生しました.大量の土砂は深さ100mを超える谷から溢れ出ながら(B地点)高速で流下し,Cにあった温泉宿を埋め, Dにある高さ80mの尾根を乗り越え,10kmにわたって流下しEで停止しました.Fには川の塞止めによる池が出現しました.下左の写真はDの尾根乗り越え部を下流からみたもので,樹木が剥ぎ取られています.下右は岩屑なだれの堆積域につくられた小さな流れ山(高さ2m)で,山体を構成していた大きな岩塊が運ばれてきて下に埋まっています.航空写真は中日本航空(株)提供
客員研究員 水谷武司