濃尾地震の被害は,断層が生じた根尾谷および濃尾平野に集中しました.濃尾平野は木曽川のつくる平野で,木曽山地から流れ出たところに広い扇状地をつくり,その先に氾濫原ついで三角州を展開させています.山地・丘陵地との間には台地が広く分布します.氾濫原・三角州は軟らかい砂泥の沖積層,扇状地は砂礫質,台地はかなり締まった砂泥層,山地・丘陵は固結岩でそれぞれ構成されます.氾濫原・三角州域の大部分は,住家全壊率(カラーの線で示す)が50%以上でした.
客員研究員 水谷武司