防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
図6.3 1948年の磐井川氾濫と一関の被害 (竹内,1950による)
岩手県一関市は北上川支流の磐井川が扇状地状の谷底を侵食してつくった狭い河道内から開けた北上盆地に流れ出すところに位置します.磐井川の河道付近は地盤高が高くて,一関の中心市街はやや凹状の地形(勾配1/150)のところにあるので,狭い河道から一気に溢れ出してきた洪水により死者571などの著しい被害を被りました.前年のカスリン台風でも大きな被害が生じており,2年連続の大水害となりました.およそ5時間後には本流の北上川の氾濫水により再び浸水しました.
竹内清文(1950):アイオン台風による磐井川の洪水に就て.資源調査会報告第6号.
客員研究員 水谷武司