防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
写真5.1 黒部川扇状地 (国土交通省黒部工事事務所提供)
日本の河川には急流が多く,山地から一気に海にまで流れ込んでいます.飛騨山地(後方)に発する黒部川はとくに急流で,深い富山湾(手前)に面して,長さ12km,平均勾配 1/100の,大きくて急な扇状地平野をつくっています.谷の出口(扇頂)はFにあり,ここから大きく両側に扇状に広がっています(扇状地と側面の台地との境界を黄鎖線で示しました).扇状地河川の常として,河幅は広く,流れは網状になっています.上流に向かって広がる逆ハ形の霞堤が,河口近くにまでつくられています.×印は1969年8月の破堤箇所で,氾濫流は旧流路内を一気に流下しました.
客員研究員 水谷武司