防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
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写真3.1 1967年加冶川破堤氾濫の空中写真 (国際航業(株)撮影)
破堤は河道屈曲部のAおよびBで生じました.前年の66年7月にもこれと全く同じ2個所が破堤し,直線河道 (Cの部分) にする工事が行われている矢先でした.氾濫水は砂丘列に行く手を阻まれて方向を転じ,福島潟 (左岸側)および紫雲寺潟跡 (右岸側)の低地に流入しました.B の右上方に続く土砂堆積のパターン(白色部)から,流れの方向がよく分かり,その強さがかなり大きかったことが推定できます.河道周辺の暗色部は地盤高が高くて浸水していないところです.Cにあった集落は1966年の水害後矢印の先に移転しましたが,翌67年に再び被災しました.
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客員研究員 水谷武司