麻機沼(標高7m)の排水河川は,かつて有度山の西を通って駿河湾にまっすぐ流入していたのですが,安倍川の最上流で生じた巨大崩壊(大谷崩れ)による流出土砂が標高10~30mの扇状地をつくって出口を閉ざしたので,排水条件の悪い凹地に変わりました.安倍川の運搬土砂はまた,三保の砂礫州および清水砂堆(標高5m)をつくったので,巴川下流低地(標高2m)は出口が閉ざされた状態になりました.青線域は1975年7月の豪雨による浸水域で,麻機沼および巴川下流低地に長時間滞留しました.
客員研究員 水谷武司