防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
図3.2 新潟平野の地形および放水路
新潟平野は沿岸砂丘によって閉ざされた大きな後背低地状の平野で,その名が示すように潟や潟起源の低湿地が数多く見られます.中央を流れる信濃川の下流域には海面下の土地が形成されています.河川の氾濫水は海にまで達することができず,潟起源の低湿地に長期間滞留します.このため江戸時代から総数14の放水路がつくられてきました.放水路開削前には,直接海に流入していた川は信濃川と荒川だけでした.その他の川は砂丘背後などを延々と流れてこれら2つの川に合流していました.図示した潟は江戸時代初期に存在していたもので,大部分はその後干拓されています.赤矢印は加治川の1966年洪水の主流向で,沿岸砂丘に阻まれ大きく迂回して流れています.下の図は地盤高を色分けで示したもので,緑色の最も濃い部分は標高0m以下です
客員研究員 水谷武司