防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
図2.2 濃尾平野の地形と地盤高分布
濃尾平野は西に傾きながら沈降しているので,地盤高は西ほど低く,木曽三川は平野の西縁を流れています.地盤沈下も生じており,広大な海面下の土地が出現しました.ゼロメートルの等高線は三角州と氾濫平野の境界にほぼ一致し,平野西縁では海岸から40kmもの内陸に達しています.平野構成地層が西に傾斜するために平野西部では地下水が自噴することが,地盤沈下の1原因になっています.西の養老山地との間にはほぼ垂直の活断層があります.木曽川は上流から台地,扇状地,氾濫平野,三角州,干拓地と,平野の構成地形をすべて揃えています(上の図).地盤高を色分けで示したものが下の図で,最も濃い緑色は標高0m以下です.
客員研究員 水谷武司