防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
図1.5 利根川の破堤箇所付近における氾濫流の運動 (科学技術庁資源局,1961などに基づき作成)
破堤口に面する後背低地内にあって洪水流の直撃を受けた村(東村・原道村・元和村),および洪水の主流が集中し地形の狭まりや堤防決壊により激しい流れが生じた町村(栗橋町・幸手町・上高野村)において,流失・全壊家屋が多数発生しています.その戸数は全体の90%です.洪水の主流域には,その進行方向にほぼ平行する数列の自然堤防が分布しています.洪水流の水位はそれらの間隔が狭まったところで堰き上げられて,勢力を増大させました..
科学技術庁資源局(1961):中川流域低湿地の地形分類と土地利用.科学技術庁資源局資料第40号.
客員研究員 水谷武司