防災基礎講座:基礎知識編-自然災害をどのように防ぐか-
図1.4 利根川の流量配分計画
氾濫すれば東京を襲う恐れのある利根川の重要度は超A級であり,再現期間200年で計画されています.この200年確率の降雨の場合に想定される流量のうちの毎秒5,500トンは上流のダム群(矢木沢ダムなど)によって調節し,中流部の栗橋における計画流量を毎秒17,500トンとしています.これは1947年のカスリーン台風時に観測された最大流量に相当します.栗橋の下流では,江戸川への分流,放水路への放流および多数の遊水池における貯留によって,河口部における計画流量を毎秒9,500トンに低下させています.最大の支流である渡良瀬川の洪水は,渡良瀬遊水池による調節などにより,ピーク時には本流に合流しない計画になっています.
客員研究員 水谷武司