2009年フィリピン台風災害調査速報
このページでは、2009年9月26日から10月初旬にかけてフィリピン、ルソン島を襲った台風オンドイ及びペペンの被害調査報告を掲載しています。本調査は、防災研究フォーラム『突発災害調査』として行われたものです。
1.はじめに
フィリピンでは、2009年9月から10月にかけ、3つの台風(台風16号(Ondoy:現地名Ketsana)・17号(Pepenng)・18号Sante)がルソン島中部から北部を襲い、洪水災害や土砂災害による甚大な被害を発生させた。台風16号(オンドイ)がもたらした豪雨は、人口1,000万人に達するメトロマニラ(マニラ首都圏)やリサール州を中心に各地で洪水災害を発生させ、その被災者は490万人、死者・行方不明者は501人に達した。さらに、2009年10月中旬には、台風17号(ペペンPepenng)がルソン島北部のバギオ市やベゲット州にもたらした豪雨により、土砂災害が多発し、被災者は448万人、死者・行方不明者は539人に達した。続いて、台風18号(サンテSante)が、ルソン島中部に再び大雨をもたらし、被災者80万人、死者・行方不明者39人を出してlaguna de Bay 周辺の湛水被害を大きくした。
こうした状況を受け、独立行政法人防災科学技術研究所では、マニラ首都圏における洪水災害、およびバギオ市及びその周辺における土砂災害の実態を明らかにするため、異なる専門分野からなる調査チームを編成した。調査は、早期段階での現地調査による情報収集を含め、今後の災害調査研究の基礎的データの提供を目的に実施された。