防災基礎講座: 災害予測編-自然災害をどのように防ぐか-
図12.4 富士山のハザードマップ
富士山が噴火すれば非常に大きな被害や社会経済的影響が生ずるおそれがあるので,詳細な被害想定とハザードマップ作成が行われています.上の図は全体をまとめたマップの一つで,噴火火口が生ずる範囲,火砕流危険域,噴石危険域,溶岩流危険域などが示されています.北西-南東方向に伸びる内部構造の弱線に沿って噴火が起きやすいので,危険域はその方向に伸びています.ただし,南にある愛鷹山の山体は大きいので危険域を限っています.下の図は,火砕流および火砕サージの危険域を重ねて示したものです.火口を山頂部に設定しており,全体の危険域は同心円状になっています.
客員研究員 水谷武司