防災基礎講座: 災害予測編-自然災害をどのように防ぐか-
図10.8 津波遡上の数値計算
上の図は東南海地震(M8.0)を想定した場合の三重県・尾鷲における津波遡上の数値計算です.津波の危険があるほとんどの海岸で津波遡上の数値計算が行われています.予測される浸水域は,設定される地震の規模,計算方法などにより異なります.地表面が流れに及ぼす抵抗の違いにより,市街地では開けた水田に比べ到達限界が低くなります.下の図は数値計算による津波断面の時間的変化の例を示したものです.遠浅で陸地勾配がやや大きいところでは,到達限界標高が海岸での波高(5m)の2倍近くにまで高くなっています.
保険損害料率算出機構(2008):津波浸水予測シミュレーションに関する研究
客員研究員 水谷武司