防災基礎講座: 災害予測編-自然災害をどのように防ぐか-
図10.1 津波発生模式図
海底面の変化A-Bがそのまま海面の変化Cに置き変えられ,海面が上がった方向へは押し波Dが伝わり.海面が下がった方向へは引き波Eが先行します.津波(長波)の進行速度は,水深に重力加速度を掛けた値の平方根で与えられます.したがって,水深の浅い海岸の近くにきて速度が遅くなると,後からくる波が追いついてきて重なり(F),波が高くなります.津波の波源域(津波が発生する海域)は一般に細長い楕円状で,その横方向(短軸方向)に高い波が放出されます.2004年スマトラ沖地震による津波の被害は,横方向と縦方向で,また引き波側か押し波側かで,非常に大きな違いが生じました.
客員研究員 水谷武司