防災基礎講座: 災害予測編-自然災害をどのように防ぐか-
図7.1 土石流の発生・流下・停止域
土石流の運動は谷床の勾配にほぼ支配されるので,図のようにその領域が分けられます.勾配がおよそ15度以上の区間が長く急勾配であると土石流発生の危険度が高く,およそ10度以上の区間に厚い堆積土砂があると土石流成長の可能性が大きいと判断されます.土石流本体が到達する限界は2~3度のところです.写真は鹿児島県・出水における1997年の土石流の航空写真です.土石流の停止域の勾配は3.5度です.大きな山崩れLの崩壊土砂が土石流となり砂防ダムDを乗り越えてA付近の住家18戸を全壊し死者21を出しました.
客員研究員 水谷武司