防災基礎講座: 災害予測編-自然災害をどのように防ぐか-
図6.7 地すべり地形分布
円弧状の急な崖と,その下方にある緩傾斜面 (ときには階段状)が,地すべり地形の主要な特徴です.2004年の新潟県中越地震では,崩壊の幅が50m以上の大きな地すべり・斜面崩壊が約360発生し,その総土砂量はおよそ1億立方mでした.これ以外に中小規模のものは無数といってよいほど発生しました.写真は規模が非常に大きかった大日岳地すべりで,図はこの周辺地区の地すべり地形分布図です.Dが大日岳地すべりであり,Hは川を堰き止めて大きな地すべりダムをつくった東竹沢地すべりです.ここは日本有数の第三紀層地すべり地域であって,ほぼ全山が地すべり地です.
客員研究員 水谷武司