日本の河川には急流が多く,山地から一気に海にまで流れ込んでいます.飛騨山地に発する黒部川はとくに急流で,深い富山湾に面して長さ12km,平均勾配 1/100の,大きくて急な扇状地平野をつくっています.扇状地面にはほぼ扇頂部から放射状に伸びる溝状凹地(旧流路)が派生していて,用水路などになっています.北に向かうものは古黒部川で,1685年の大洪水により現在の河道に移りました.1969年8月の破堤氾濫流は旧流路内を一気に流下しました.
客員研究員 水谷武司