防災基礎講座: 災害予測編-自然災害をどのように防ぐか-
図3.14 新潟平野の地形と加治川氾濫域
新潟平野は沿岸砂丘によって閉ざされた大きな後背低地状の平野で,その名が示すように潟や潟起源の低湿地が数多く見られます.河川氾濫水は海にまで達することができず,潟起源の低湿地に長期間滞留します.このため江戸時代から総数14の放水路がつくられてきました.図示した潟は江戸時代初期に存在していたもので,大部分はその後干拓されています.赤矢印は加治川の1966年洪水の主流向で,沿岸砂丘に阻まれ大きく迂回して流れています.下の図は地盤高を色分けで示したもので,緑色の最も濃い部分は標高0m以下です.
客員研究員 水谷武司