防災基礎講座: 災害予測編-自然災害をどのように防ぐか-
図3.9 小貝川の氾濫数値計算
破堤から10時間後の氾濫域が再現できるように粗度係数を0.12に決めて(平野河川の3.5倍程度),氾濫計算を行って得た最大水深の6時間後および10時間後の分布です.メッシュ幅は200m,計算の時間間隔は6秒です.コンター間隔1mの地形図(土地条件図)からの読み取りにより,10cm単位の標高を各マッシュに与えています.流れを一時的に止めた路盤の高い県道の存在を無視し,また,現河道・旧河道近くでは自然堤防が多くて粗度係数がより大きいことのために,6時間時点では計算と実績の差がかなりあります.下の図は数値計算による氾濫域拡大の時間経過を示したものです(各時点の水深を表示).氾濫域の平均拡大速度は時速200~400m程度です.
客員研究員 水谷武司