防災基礎講座: 災害予測編-自然災害をどのように防ぐか-
図2.3 超過確率の求め方
対数正規確率紙(市販されている)を使用して,再現期間や確率雨量を図上で簡易に求める方法を示します.日雨量などの年最大値の統計を長期間にわたって求め(図示した例では63年間,ただし欠測の年があるのでデータ数は61),これを大きさの順に並べて(同じ大きさであっても省略せずに並べる)1から始まる番号をつけます.データ数に1を加えた数値でこの各番号を割った値(この例では1/62,2/62,3/62・・・61/62)を縦軸に,日雨量などの年最大値を横軸(対数目盛り)にプロットし,各点の並びの方向に最もよく合う直線(平分直線)を目分量で引きます.図右上の点のように大きくはずれるデータは無視します.この直線を交点にして,横軸からたどれば,任意の気象量(図の青線の場合には日雨量250mm)に対応する超過確率(図の例では1%=1/100,100年に1回の確率の雨,再現期間100年),横軸からたどれば任意の超過確率に対応する日雨量が求められます.
客員研究員 水谷武司