3. 被害概要
新川通の破堤洪水による被害は,死者58(埼玉51,東京7),流失・全壊家屋600,浸水家屋145,520(内東京105,500)という著しいものでした.大河川のつくる広く緩やかな平野における洪水では,このように大量の家屋損壊が生ずることは稀です.浸水域内の当時の人口は約60万人,資産の被害額は一般資産と農作物等被害額をあわせ約70億円でした.
カスリーン台風時に起こった洪水には他に,岩手県一関における北上川支流・磐井川の氾濫(死者数101),群馬県桐生市における渡良瀬川とその支流桐生川の氾濫(同144),栃木県足利市における渡良瀬川の氾濫(同162)があります.この他,群馬県・赤城山地において山崩れ・土石流による大きな被害が発生しました.群馬県の死者総数は708でした.
沈みゆくわが家を見つめる被災者
「埼玉県水害誌附録写真帳」(1950), 埼玉県
「埼玉県水害誌附録写真帳」(1950), 埼玉県
決壊した櫻堤(9月19日)
「東京都水災誌」(1951), 東京都
「東京都水災誌」(1951), 東京都
葛飾区本田渋江町地先線路上の避難者(京成四ツ木駅附近)
「東京都水災誌」(1951), 東京都
「東京都水災誌」(1951), 東京都
葛飾区本田四ツ木町浸水状況
「東京都水災誌」(1951), 東京都
「東京都水災誌」(1951), 東京都