2006.2.22自然災害情報学習会

第8回 山地内・山麓の都市における豪雨時の土砂・洪水複合災害

-1938年阪神大水害,1967年神戸・呉災害,1982年長崎水害--

神戸は,風化花崗岩(weathered granitic rocks)よりなる急峻な六甲南面の山麓の扇状地(alluvial fan)に位置しているので,豪雨による災害の危険が非常に大きいところです.したがって,昔から頻繁に土砂・洪水災害を経験してきました.1938年の阪神大水害では,山崩れ・土石流および河川の氾濫により死者668,建物流失全壊4,854という著しい被害を受けました.近年では1961年と1967年に豪雨による大きな土砂・洪水災害を受けています.風化しやすい花崗岩の山地は豪雨によりほとんど全山にわたって崩壊し,土石流が山麓を埋めます.洪水は多量の土砂・流木を運んで扇状地に激しく氾濫します.やはり花崗岩山地域にあってたびたび洪水・土砂複合災害を被っている都市に呉があります.ここでは1945年には死者1,154,家屋流失・全壊1,191という大災害を受けました.山地内に展開している大きな都市に長崎があり,1982年には記録的な豪雨によって著しい被害をうけました.山地域の都市では豪雨によって山崩れ・土石流・洪水による被害が同時多発します.市街化による山地地形の人工改変は,しばしば災害の原因をつくっています.

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