2005.11.25自然災害情報学習会

第6回 河川堤防の破堤と氾濫水の運動に関わる地形等の条件

-1981・1986年小貝川破堤洪水,1986年桜川洪水など-

 1981年8月24日未明,利根川支流小貝川の左岸堤防が利根川との合流点から5km上流において破堤しました.これにより龍ヶ崎市など3市町の33km2が水没しました.破堤個所は1925年に蛇行(meandering)の個所をショートカットして閉め切ったところにあたっています.ここには水門(sluice)が設置されており,切り離された旧河道(former river course)は水路として利用されていました.これらは破堤が生じやすい河道条件です。5年後にはここから35km上流において、やはり水門の建造個所にて破堤が生じました。破堤が右岸か左岸か,大きな支流の上流か下流かなどで,氾濫域はまったく変わってきます.したがって,破堤が生じやすい場所を知ることは非常に重要です.氾濫が生じた場合の氾濫水の運動は平野地形の条件に規定されます。小貝川のような堆積性(depositional)河川の平野では、氾濫水は河道から離れて広く平野内に流入します。一方、桜川のような侵食性(erosional)の河川では氾濫域は河道周辺に限られます。

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