2005.11.1自然災害情報学習会

第5回 大きな人的・物的被害を惹き起こす山地内・山麓の谷底低地における洪水

-1957年諫早水害,1947・1948年一関水害,1953年熊本水害など-

1957年7月25日,九州北西部は梅雨前線(baiu-front)の活動による集中豪雨(localized downpour)に見舞われました.多良岳火山南麓の谷底(valley floor)に位置する諫早では,市街を流れる本明川が氾濫して大災害になりました.死者・行方不明は539,家屋の流失・全壊727などで,市の総世帯の大半が被害を受けました.洪水流の及ぼす力は,その水深が大きいほど,また地形勾配が大きいほど強くなります.山地内・山麓の谷底低地(valley plain)のような地形のところでは,洪水の側方への広がりが制約されて水深は大きくなり,また地形の勾配(gradient of land surface)は大きいので,洪水流の力は非常に大きくなります.このため流れの中の建物は浸水では済まずに押し流されます.強い雨により山地上流域で山崩れ(slope failure)・土石流(debris flow)が発生すると,多量の土砂や流木(drift wood)が下流へ運搬されます.これは洪水流の力はさらに増大させます.多数の死者や家屋の流失・全壊を惹き起こした河川洪水災害の大部分は,このような地形のところに位置する市街域で起こっています.

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