2006.11.29自然災害情報学習会

第17回 台風が深夜に襲来すると人的被害が昼間に比べ数倍にもなる可能性がある

-1959年伊勢湾台風,1953年13号台風など-

伊勢湾台風は「超大型」で「猛烈な」という非常に強い勢力で日本列島を襲い,死者5,040,住家流失・全半壊153,930戸など,史上最大の風水害被害を惹き起こしました.台風は上陸後も強い勢力を維持し高速で進行したうえに,伊勢湾に継続的に強風を吹き込むコースをとったので,湾奥の名古屋港に最大潮位3.89mという観測史上最大の高潮を発生させました.このため湾内沿岸の高潮被災市町村における死者数は4,030にもなりました.高潮は海岸堤防を全面的に破壊して,海面下の土地が広い非常に低平な濃尾デルタ内に流入し,海岸から20kmにまで到達しました.湛水期間は最大で3ヶ月に及びました.高潮の直撃を受け避難場所のないデルタ沿岸の区町村の人命被害度はデルタ内陸域のおよそ8倍でした.この地域では最近大きな高潮被害を被っていないことに加え,高潮の発生が夜9時すぎという夜遅い時間であったことが人的被害を大きくしました.1960年以前には深夜来襲台風による人命被害度は昼間のそれに比べ5倍以上でした.最近ではこの差は非常に小さくなってはいるものの,夜間には避難行動を妨げる種々の条件は常に存在しているので,それを念頭においた防災対応が必要です.

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