2006.5.23自然災害情報学習会

地震被害を著しく拡大し壊滅的にする都市大火

-1923年関東大震災による東京・横浜の市街地延焼火災

地震時の火災の消火活動は,同時多発による消防(fire fighting)力分散,建築物・構造物の倒壊や道路損壊による通行障害,消火栓(fire plug)や水道管の破損による水利不足,大量の自動車通行による交通渋滞などの要因が複合して大きく阻害されます.このため地震火災は市街地大火に発展しやすいという性質があります.とくに日本のように,木材を主建築材料とする湿潤地域(humid region)における地震では,倒壊被害に延焼火災被害が加わって,被害が大きくなります.乾燥地帯(arid region)ではレンガや石材を積み上げた家が多いので完全崩落型の倒壊被害が主です.1923年の関東地震では,東京市(15区)における焼失家屋数は32万戸(全戸数の62%)にも達しました.火災発生件数は136,うち76が延焼(spread)に発展し,3日間で34km2(市域の44%)が焼失しました.死者約6万人の95%は火災が原因でした.横浜市では6.3万戸(全戸数の63%)が焼失しました.これまでの大地震の際には,必ず大火災が発生しています.地震火災対策の基本のひとつは,住家を耐震性(earthquake-resistant)にして倒壊しないようにすることです.

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