2007/11/28 公開学習会

第4回 火山災害(火砕流,泥流,山体崩壊など),土砂災害(斜面崩壊,土石流など)

日本のような沈込みプレート境界にてつくられる粘性率大でH2O含有量の多いマグマは,爆発的な 噴火を行い,火砕流・泥流・山体崩壊・津波など種々の災害現象を起こします.この噴火では主として円錐火山が形成されます.個々の火山について,マグマの性質や最近の噴火履歴などに基づき ,予想される噴火の様式・規模・地点を複数設定し,その場合に生ずる火砕流・溶岩流などの災害現象がどの範囲に及ぶかを,それらの運動機構と火山体の地形から予測し,それを図に示したのがハザードマップです.危険域予測の精度は災害現象によって異なります.火砕流については危険域が限定できません.泥流氾濫域は谷地形により精度よくゾーニングできます.噴石や溶岩流の到達 は山地内に限られます.成層火山は不安定で巨大規模の崩壊を起こします. 斜面崩壊・土石流・岩屑なだれなどの土砂運動を起こす力は重力(の地表面傾斜方向の成分)なので,その運動範囲(危険域)は地形からかなりの程度限定できます.それがどこで発生するかに ついては予測が実行上ほぼ不可能,とするのが安全側に立った防災対応です.

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