2007/9/26 公開学習会

第3回 地震災害(強震動,液状化,津波,火災)

地下深くの硬い岩盤から地表近くの軟らかい地層へ伝わってきた地震波は進行速度を遅くし,最表層の軟弱地層に達すると,いわばその中に詰め込まれたような状態になって,表層地盤を大きく震動させます.また軟らかい地層では,最も揺れやすい周期(固有周期)が一般の建物の固有周期とほぼ一致して共振が起こり,多くの建物が破壊を受けます.表層が砂質で地下水により飽和していると,震動によって砂が水のなかに浮いたような状態になり,液状化します.これにより地盤が変形・流動すると建物・構造物が破壊されます.表層地盤の把握は地震対策の基礎です.表層地盤を外から推定する方法に地形分類があります.地形は表層地盤の表面形状であって,これらには密接な関係があるからです.津波は地震波と同じように,水深の小さい海岸近くで進行速度を落とす結果として波高を増すという現象です.その増幅の程度は海岸地形の影響を大きく受けます.今回は捉えやすい地形を主要な手がかりとして,地震の危険度を簡易に評価する方法について考えます.

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