防災基礎講座
Ⅰはじめに
Ⅱ気象災害 
  気候帯
  低気圧
  降雨地帯
  乾燥地帯
  冷夏災害域
Ⅲ地震・火山災害
  プレート構造
  地震帯
  地震災害
  火山帯
  噴火災害
Ⅳ社会経済環境
  社会水準
  経済被害
Ⅴ世界の災害
  概要
  アジア
  ヨーロッパ
  アフリカ
  北アメリカ
  南アメリカ
  オセアニア
Ⅵ日本の災害
 概要
 北日本
 東日本
 西日本

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7. オセアニア

 オーストラリア大陸,ニュージーランド島,ニューギニア島東部および太平洋の小さな島々からなる人口の少ない地域です.陸地の大部分を占めるオーストラリアは全域が安定大陸で,東岸に古い山地があります.大部分が乾燥・半乾燥地帯で,東岸に沿って温帯多雨地帯が,北端に熱帯サバンナ地帯があります.乾燥大陸であるので,主要な自然災害は干ばつおよび森林火災です.1982年の干ばつは被害額が約100億ドルでした.乾燥気候であり人口希薄なので消火は遅れ森林火災は大規模になります.2009年2月から続いたオーストラリア南東部における森林火災は3400km2を焼き,死者200人,家屋焼失1800棟にもなりました.(図5.8

 パプアニューギニアからソロモン諸島,バヌアツ,フィジー,サモア,トンガ,ニュージーランド,南極方面へと大きく屈曲しながら沈み込みプレート境界が連なり,地震とそれによる津波および火山噴火が起こっています.地震活動は非常に活発ですが,小さな島がほとんどで被害はあまり生じていません.最近の地震・津波災害には,2009年のサモア近海におけるM8.0の地震と津波による死者約180,1998年ニューギニア北方のM7.1地震の津波による死者2800の災害があります.ニュージーランドでは1900年以降死者数100以上の地震は1回です.

 ハワイ諸島は太平洋の真ん中にあるので津波被害をしばしば被っています.1946年アリューシャン地震(M9.3),1952年カムチャツカ地震(M8.0),1960年チリ地震(M9.5)の津波で,それぞれ死者100人前後の被害が生じました.この遠地津波に対応する太平洋津波警報システムのセンターはハワイに置かれています.ハワイ島のマウナロア火山は海底からの高さが9000mにもなる地球上で最大容積の火山です.この巨大な重量により海底は沈降し,これに伴って巨大海底地すべりが生じています.再び巨大地すべりが起きた場合,太平洋に大津波が起こることが懸念されています.

 ハワイ島など太平洋プレートの内部にあるホットスポットの火山のマグマはは玄武岩質で,噴火は比較的穏やかな溶岩溢れ出し型です.一方,太平洋西部の沈み込み境界にある約30の活火山は,爆発的噴火を行うマグマの火山です.1951年のパプアニューギニア・ラミントン火山の噴火では大火砕流が発生し3000の死者をだしました.1994年のパプアニューギニアのラバウル火山噴火は5億ドル,GDPの8%,の被害をもたらしました.パプアニューギニアの火山はこの地域で最も活動的です.

 太平洋南西部海域は,北半球の台風に比べ発生はかなり少ないものの,強い熱帯低気圧が発生し来襲する地域です.2003年1月にはソロモン諸島で死者3000を超える暴風雨災害が起こりました.小さな島国がハリケーンに襲われると国全体に大きな影響が生じます.1985年にはバヌアツで被害額3億ドル,GDPの140%の被害が,1991年にはサモアで3.8億ドル,GDPの140%の被害が発生しました.




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