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メールマガジン「自然災害情報の収集・発信の現場から」

メルマガ「自然災害情報の収集・発信の現場から」第23号(2011年12月09日発行)

◆今日のつくばは雪が降りそうな寒さです.皆様体調管理には十分ご注意ください.

◆今号で年内のメルマガ発行は最後となります.本年もご講読いただきありが とうございました.引き続き,来年度もよろしくお願いいたします.

★このメールマガジンはご自由にご転送ください.災害研究や防災に関心のあ る方々との情報交換の場にしたいと考えております.セミナー・シンポジウム などイベント情報,本や論文の紹介と書評など,読者の皆様に役立つ情報はで きる限り掲載しますので,ぜひ情報をお寄せいただきたいと思います. < dil_melmaga@bosai.go.jp >までお願いします.

CONTENTS

災害発生地の今昔 津波碑と明治三陸・昭和三陸地震津波>

◆自然災害情報室では,2011年11月に2回目の東日本大震災現地調査を実施しました.今回はその際に発見した津波に関連する石碑の紹介と三陸地方で発生した明治・昭和三陸地震津波についてご紹介します.

◇明治三陸地震津波

当時の青森県の被害状況を伝えるかわら版
【青森県海嘯画報(自然災害情報室所蔵)】
http://dil.bosai.go.jp/disaster/2011eq311/18960615eq_ezu.html

◇昭和三陸地震津波

◆三陸各地に残存する津波碑 三陸沿岸には各地に津波の石碑が残存しています.津波碑に書かれている内容は様々です.今回は,調査中に見かけた碑の一部をご紹介します.また津波碑の裏面には,建立の経緯などが書かれている場合が多いのですが,誌面の関係上割愛し,文意のみ掲載します.本章下部に,Googleマップなどで津波碑の写真と本文を閲覧できるコンテンツを紹介しています.

◇十五浜村津波碑 ◇十三浜村津波碑 ◇末崎村細浦 明治三陸津波標,昭和三陸津波標 ◇浄土ヶ浜津波碑 ◇田野畑村羅賀津波石 ◇田野畑村羅賀津波碑

◆今回の紹介した津波碑の位置,写真,碑文をKMLファイルで配信しています.メルマガで紹介しきれなかった津波碑も掲載しています.是非,ご覧ください.

◆今回の調査で見た多くの津波碑が津波により破損していましたが,倒れたままのものは少なく,ほとんどが立て直されていました.ただし,私が見たものは今回の津波で残存した津波碑であり,失われた石碑も数多くあったと思います.寺田寅彦の「津浪と人間」の追記には,昭和三陸津波で失われた明治三陸津波の石碑についても言及されています.こちらも是非ご覧ください.
(鈴木比奈子)

【津浪と人間/寺田寅彦】
http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/4668_13510.html

【参考文献】

 2011年11月に起きた主な自然災害 & トピック

 図書館探訪―災害資料を訪ねて― (その8)

<国立国会図書館 東日本大震災復興支援サイト>

国立国会図書館の支部図書館と専門図書館の連絡情報誌;ビブロス54号の特集「災害と図書館」に,自然災害情報室の紹介記事を掲載していただきました.
http://www.ndl.go.jp/jp/publication/biblos/index.html
そこで今回は,国立国会図書館東日本大震災復興支援ウェブサイトを紹介しま す.

国立国会図書館の東日本大震災復興支援ページでは以下の支援が紹介されています.
http://www.ndl.go.jp/jp/news/support.html

 特集 第2回東日本大震災現地調査備忘録

◆自然災害情報室では2011年11月14-18日,第2回東日本大震災現地調査を実施しました.筆者にとっては今回が初めての東日本大震災調査行です.その心象を備忘録と題してお伝えします.甚だ主観的であることをお許しください.

◆調査目的は(1)2011年4月に実施した第1回調査から約半年後の記録撮影と今後継続撮影を行う定点地点の選定,(2)新機材ギガパンでの試験撮影です.ギガパンは360度天地を除く全方位を自動撮影する装置です.

サンプル画像はこちらをご覧下さい.
http://lsweb1.ess.bosai.go.jp/kmlview/nied-tsukuba2.kml
(防災科学技術研究所 地すべり地形分布図サイト内)

◆調査ルート
◆11月14日

【石巻市手前の陸前小野町付近】
仙石線の線路に枯れたセイタカアワダチソウを見る.電車の来ない踏み切りを車が通過する.国道45号線の道路脇にはマリーゴールドの花壇.1回目の調査時には道路脇は瓦礫の山だったようなので,これも復旧への一歩.

【女川町立病院】
標高10mを超える高台にある病院だが,1階部分がが浸水した.眼下に広がる土台しか残っていない町並み撮影していると,病院に来ていたおじいさんがすーっと寄ってくる.話しかける,というのではなく独り言のようにつぶやく.「なーんもなくなっちゃった」.

【大谷海岸駅】
日が落ちかけた線路上をカモシカが疾走するのに出くわす.線路の向こう側はすぐ海.

◆11月15日

【気仙沼】
地盤沈下の影響か.瓦礫撤去の進まない港の一角には潮溜まりが所々にでき,藻が茂り小魚が泳ぐ.

【陸前高田】
残っている建物を数えたほうが早いくらい.それらも皆被災した鉄筋の大きな建物.撮影中足元に落ちていた鋏をよく見ると事務署名が入っている.どこにあった事務所なのか

【大船渡】
かつての津波の碑がある長源寺.論文を頼りにその場所に行くと明治と昭和の海嘯襲来地の碑が道路脇に倒れていた.踏まれぬよう,元の場所に近いところによけて置く.

◆11月16日

【宮古】 浄土ヶ浜近くの仮設.谷間にあり日が当たらなさそうに見える.

【田老】
今回の調査行の中で,過去に訪れたことのある数少ない地点.22年前,有名な堤防の先,海岸の崖に明治(約15m),昭和(約10m)の津波痕跡高が記されているのを見た.今,標識は銀色のプレートに置き変わり,ひしゃげていた.周囲の樹木の様子からも,明治の標識が水を被ったことが伺える.

【島越港】
港では台船が作業中,陸ではトラックが次々とやって来る.何故,ここは復旧作業が著しいのか.背後にあったであろう集落は跡形もなく,そのアンバランスさが気にかかる.後日調べると,第4種漁港に区分される避難港のため,地元自治体ではなく国・県が復旧の指揮をとっているらしい.

【島越駅】
高架だった駅に登る階段が,支えもなく数段残る.ほかに駅舎の痕跡はない.宮沢賢治にちなんだ洋館風の駅舎だったそう.駅前の宮沢賢治の碑は残っている.駅の奥にあったはずの集落は家2件以外見当たらない.

【羅賀】
明治三陸津波によって打ち上げられたという伝承が残る津波石を探す.それらしい石を発見.近くに津波の碑は残るが看板も何もない.標高20m付近.

【普代村大田名部】
15.5mの防潮堤が集落を守った.
http://orange.webdos.net/~kunohe/koho_fudai/2303/f2303.pdf
※過去の津波高:1896年明治三陸津波;15.2m,1933年昭和三陸津波;13.0m,2011年東日本大震災;約10.0m
出典:http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/tsunami/
宇佐美(2003):最新版 日本被害地震総覧

◆11月17日

【仙台港】
港湾地区では壁の色が一部異なる修復の痕跡,やたら新しい建物など,大企業を中心に復旧が進んでいる.街路樹の頂部が折れているのは津波の影響か?

【蒲生】
仙台港湾地区のすぐ南だが,中小企業や住宅地区で復旧が進んでいない様子.海岸に近い地域は土台しか残っていない家がほとんど.仙台港周辺との差が目立つ.コンビニ入り口に2つの貼紙.コンビニから地域住民向けに「当店のトイレをお使いください」.近所のファッションホテルから,港湾地区復旧工事関係者向けに「ご要望に応えて男性シングル宿泊を受け入れます」.

【相の釜】
仙台空港すぐの海岸.再利用できる被覆工が置かれている.切れた堤防に黒い巨大な土嚢を積んで仮締め切り中.近くの神社には新しい灯明の寄進.

※筆者は18日の調査は不参加
(堀田 弥生)

読者からの情報提供コーナー

◆1.17ひょうごメモリアルウォーク2012の参加者募集について

http://web.pref.hyogo.lg.jp/pa17/pa17_000000094.html
http://www.19950117hyogo.jp/
阪神・淡路大震災から17周年を迎える2012年1月17日(火)に,交通機関が途絶した大震災時の追体験を行い,風化しがちな防災意識を新たにするとともに,来るべき災害に備えるため,震災モニュメント巡りや緊急時の避難路,救援路として整備されている山手幹線等を歩く「1.17ひょうごメモリアルウォーク2012」を実施します.

◆山地災害シンポジウム 森林の取扱いと土砂災害~防災から減災,避災へ~

最新の研究成果をもとに今後の森林施業のあり方,防災的側面からみた望まし い森林の取扱いについて議論する.

日時:2012年1月21日(土)13:00-17:00
会場:とりぎん文化会館小ホール(鳥取県鳥取市尚徳町101-5)
主催:鳥取県農林総合研究所農林総合研究所・独立行政法人森林総合研究所

開催プログラム:
13:00-13:05 開会挨拶 鳥取県農林水産部長 鹿田 道夫
13:05-15:15 第1部 話題提供
○最近の豪雨による土砂災害の特徴/林 拙郎(三重大学名誉教授)
○広葉樹林地斜面でも崩壊・土石流が集中発生した広島県庄原市での豪雨 災害の特徴/海堀正博(広島大学教授)
○現在の森林の状況と土砂災害防止機能評価の試み/三森利昭(森林総合研究所上席研究員)
○急増する作業道から災害を出さないための注意点/小山 敢(鳥取県農林総合研究所林業専門技術員)
○森林根系の斜面安定効果/北原 曜(信州大学教授)
15:15-15:25 休憩
15:25-15:55 第2部 会場からの質問受付と総合討論
 コーディネータ: 三森利昭
 パネラー : 林 拙郎,海堀正博,小山 敢,北原 曜
15:55-16:00 閉会挨拶 鳥取県農林総合研究所長 山本 健太郎
(森林総合技術研究所 三森利昭氏よりご紹介)

 学会・イベント情報

◆大阪市立大学特別講義III 「東日本大震災から学ぶ“都市防災” -コミュニティ再生」
http://www.osaka-cu.ac.jp/news/20111014122902/event.html
日時:2011年12月10日 13:30-17:00
会場:大阪市立大学 学術情報総合センター1階 文化交流室
参加費:無料(先着100名)
主催:大阪市立大学重点研究「都市防災研究グループ」

◆慶應義塾大学・南三陸支援プロジェクト&慶應塾生新聞会共催 報告会「南三陸 これからの復興支援を考える」
http://goto-minamisanriku.blogspot.com/p/blog-page.html
日時:2011年12月10日 13:00-16:30
会場:慶應義塾大学日吉キャンパス J11教室(第四校舎1階)
参加費:無料
主催:慶應義塾大学・南三陸支援プロジェクト 慶應塾生新聞会

◆現代女性キャリア研究所公開講演会「災害復興と女性の自立」
http://mcm-www.jwu.ac.jp/~riwacnews/blog/
日時:2011年12月10日 13:30-16:30(開場13:00)
会場:日本女子大学目白キャンパス 新泉山館1F 大会議室
参加費:無料
主催:日本女子大学現代女性キャリア研究所

◆第10回地圏資源環境研究部門研究成果報告会「震災と地圏システム」
http://unit.aist.go.jp/georesenv/event/houkokukai11.html
日時:2011年12月13日 14:00-18:10(開場13:30)
会場:(独)産業技術総合研究所臨海副都心センター(別館11F会議室,事前申し込み済の場合は直接11F会場へ)
参加費:無料(事前申し込み制,懇親会有)
主催:独立行政法人産業技術総合研究所

◆東工大社会人教育院主催/蔵前工業会共催講演会「日本再生:科学と技術で未来を創造する -震災後の復興から新たな社会構築まで-」震災復興と都市計画
http://www.kyoiku-in.titech.ac.jp/pdf/kyousai_kouen_2011.pdf
日時:2011年12月14日 18:30-20:30(開場18:00)
会場:東工大 田町キャンパス・イノベーションセンター1階 国際会議室
参加費:無料(事前申し込み制,締め切り12月13日)
主催:東工大社会人教育院,蔵前工業会

◆第6回深部地質環境研究コア研究発表会
http://unit.aist.go.jp/dgcore/event/sympo20111215.html
日時:2011年12月15日 13:30-16:30(開場13:00)
会場:秋葉原UDX 南ウィング6階 カンファレンスフロア会議室A+B
参加費:無料(事前申し込み制,多数の場合先着順)
主催:独立行政法人産業技術総合研究所

◆共同事実確認方式による原子力発電所の地震リスク分析の可能性
http://pari.u-tokyo.ac.jp/event/smp111216.html
日時:2011年12月16日 9:30-12:00
会場:東京大学本郷キャンパス 工学部2号館 213号講義室
参加費:無料(事前申し込み制)
主催:政策ビジョン研究センター

◆「強震動予測─その基礎と応用」第11回講習会「長周期地震動のモデル化と2011年東北地方太平洋沖地震で得られた知見」
http://www.zisin.jp/modules/pico/index.php?content_id=2373
日時:2011年12月16日 10:00-16:20(開場9:30)
会場:東京工業大学田町キャンパス キャンパス・イノベーション・センター(CIC)1階 国際会議室
参加費:
日本地震学会,または日本活断層学会の会員 8,000円/人
日本地震学会賛助会員,日本活断層学会法人会員に所属の方 9,000円/人
非会員 10,000円/人
日本地震学会,または日本活断層学会の学生会員 3,000円/人
 (事前申し込み制,先着60名,資料配布代含む)
主催:公益社団法人日本地震学会 強震動委員会

◆平成23年度北海道資源・素材フォーラム「北海道の地震・津波・噴火」
http://www.mmij.or.jp/branch/002/2011/Forum11/Forum111216Program.pdf
日時:2011年12月16日 13:40-17:05 (開場13:10)
会場:北海道大学学術交流会館 講堂
参加費:一般1,000円 学生無料(事前申し込み制,懇親会有)
主催:資源・素材学会北海道支部

◆教育最前線講演会シリーズXIII「震災と教育―学び,将来へ伝える―」
http://web.edu.waseda.ac.jp/school/modules/event/index.php?page=article&storyid=24
日時:2011年12月17日 14:00-17:00(開場13:30)
会場:早稲田大学早稲田キャンパス 小野記念講堂
参加費:無料
主催:早稲田大学 教育総合研究所

◆日本農学アカデミー・(財)農学会主催公開シンポジウム「集中豪雨と山地災害-表層崩壊と深層崩壊-」
http://ritchi.ac.affrc.go.jp/misc/Sympo111218poster.pdf
日時:2011年12月18日 13:30-17:30(開場13:00)
会場:東京大学農学部弥生講堂 一条ホール(地下鉄南北線東大前駅 徒歩1分)
参加費:無料(事前申し込み制,先着300名)
主催:日本農学アカデミー,(財)農学会

◆一橋大学・東京工業大学合同移動講座「科学技術と経済の挑戦-日本復興のために-」
https://www.josuikai.net/modules/news/article.php?storyid=973
日時:2011年12月18日 13:30-17:10(開場12:30)
会場:ホテルオークラ福岡「平安の間」(福岡市博多区下川端町3-2)
参加費:無料(事前申し込み制,締め切り12月13日,先着500名)
主催:社団法人如水会(一橋大学同窓会),社団法人蔵前工業会(東京工業大学同窓会)

◆先端科学技術研究センターセミナー「音波・地震波による海洋観測」
http://www.kaiyodai.ac.jp/event/1101/16240.html
日時:2011年12月19日 14:00-17:00
会場:東京海洋大学 品川キャンパス白鷹館2階多目的スペース1
参加費:無料
主催:国立大学法人東京海洋大学 先端科学技術研究センター

◆平成23年度秋田大学公開講座「日本海側北部地域における震災とその対策についてin東京-東日本大震災を踏まえた地域防災のあり方を考える-」
http://www.akita-u.ac.jp/honbu/eventa/item.cgi?pro&809
日時:2011年12月20日 13:30-16:00
会場:キャンパス・イノベーションセンター東京(東京都港区芝浦3-3-6)
参加費:無料(事前申し込み制、締切12月13日、定員40名)
主催:秋田大学

◆地質調査総合センター(GSJ)第18回シンポジウム「地質学で読み解く巨大地震と将来の予測-どこまでわかったか-」
http://geodp.gsj.jp/Event/120112sympo/index.html
日時:2012年1月12日 13:00-18:00
会場:秋葉原ダイビル コンベンションホール(東京都千代田区外神田1-18-13秋葉原ダイビル2階)
参加費:無料(事前申し込み制) 主催:独立行政法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター

◆気候講演会「異常気象の実態に迫る」
http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/portal/kouenkai/index.html
日時:2012年1月13日 14:00-16:00(開場13:30)
会場:気象庁講堂(東京都千代田区大手町1-3-4)
参加費:無料(事前申し込み制,先着200名)
主催:気象庁,一般財団法人日本気象協会,財団法人気象業務支援センター

◆海洋研究開発機構 地球内部ダイナミクス領域公開シンポジウム「地球大変動-世代を超えて伝えたいこと-」
http://www.jamstec.go.jp/ifree/j/sympo/2011/
日時:2012年1月14日 13:00-17:30(開場12:30)
会場:建築会館ホール(東京都港区芝5-26-20)
参加費:無料(事前申し込み制)
主催:独立行政法人海洋研究開発機構

◆第35回都市計画セミナー「事前復興による都市づくり-都市防災のグランドデザインを考える」
http://www.cpij.or.jp/com/proj/s35.html
日時:2012年1月17日 10:40-16:50  同月18日 10:00-17:00
会場:早稲田大学国際会議場(東京都新宿区西早稲田1-20-14)
参加費:2日間共通 会員14,000円 / 非会員16,000 円 (学生会員5,000円 / 一般学生 7,000円)
1日のみ会員 8,000円 / 非会員 9,000円(学生会員3,000円 / 一般学生4,000円)
 (事前申し込み制,締切12月26日)
主催:公益社団法人日本都市計画学会

◆防災研究フォーラム第10回シンポジウム
「地震・津波災害軽減のために ~東日本大震災から学ぶ~」
http://www.dprf.jp/sympo/20120128/index.html
日時:2011年1月28日(土)
場所:東京大学情報学環・福武ホール 福武ラーニングシアター
参加費:無料(懇談会のみ3,000円程度)
定員:180名(定員になり次第締め切らせていただきます)
主催:防災研究フォーラム

 新刊情報  最近出版された災害・防災関連図書を紹介します.

☆は地元書店の本,CD,DVDになります.

☆REVIVE~復興~ 東日本大震災「亘理町復興支援写真集」
【発行者】東北プリント
【発行年月日】2011年10月11日
【価格】¥1,500       【ISBN】9784905534006

☆大震災を詠む川柳 101人それぞれの3・11
【編集】川柳宮城野社
【発行者】河北新報出版センター
【発行年月日】2011年11月15日
【価格】¥800        【ISBN】9784873412641

☆12の贈り物 東日本大震災支援 岩手県在住作家自薦短編集
【編集】道又力
【発行者】荒蝦夷
【発行年月日】2011年8月25日
【価格】¥2,000       【ISBN】9784904863145

☆震災復興時刻表[CD]
【監修】越前勤
【発行者】アルファ模型
【発行年月日】2011年10月15日
【価格】¥2,300       【ISBN】9784990609313

☆永久保存版 岩手は半歩 歩き出す。[DVD+解説書+カタログ]
【編集】クリエイティブ・デザイン
【発行者】株式会社総合広告社
【発行年月日】2011年11月9日
【価格】¥1,500       【ISBN】9784903724294

☆東日本大震災 ~ 3.11 気仙沼の記録 ~第1巻[DVD]
【発行者】気仙沼ケーブルネットワーク
【発行年月日】2011年11月9日
【価格】¥2,100       【ISBN】(なし)

★日本人はどんな大地震を経験してきたのか―地震考古学入門(平凡社新書)
【著者】寒川旭
【発行者】平凡社
【発行年月日】2011年11月15日
【価格】¥840        【ISBN】9784582856149

★水害に役立つ減災術 : 行政ができること住民にできること
【著者】末次忠司
【発行者】技報堂出版
【発行年月日】2011年11月11日
【価格】¥2,310       【ISBN】9784765517898

★奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」
【著者】中原一歩
【発行者】朝日新聞出版
【発行年月日】2011年10月30日
【価格】¥756        【ISBN】9784022734228

★震災・復興の社会学―2つの「中越」から「東日本」へ
【著者】松井克浩
【発行者】リベルタ出版
【発行年月日】2011年11月9日
【価格】¥2,310       【ISBN】9784903724294

★震災の石巻―そこから ―市民たちの記録―
【編集】創風社
【発行者】創風社
【発行年月日】2011年11月1日
【価格】¥1,000       【ISBN】9784883521890

防災コラム <防災科学の基礎知識>

第二十三回 被害の規模を決める基礎要因

自然災害による被害の規模は,地震や台風など自然外力の強度と,それが作用した地域の土地条件・社会環境および防災抵抗力(見方を変えれば災害脆弱性)によって大枠が決まります.災害の種類によっては発災時の外的条件(気象・時刻・季節など)が影響を与えます.地域の社会環境や災害脆弱性には国・地域の経済水準が密接に関係しています.外力作用の危険に曝されている地域の土地条件も,土地利用などを通じて社会経済要因につながっています.

国の経済水準の低さや社会の不安定性は,悪い居住環境,劣悪な住宅,情報伝達の不備,防災予算の不足などにより被害とくに人的被害を大きくしています.一人当たりGDPで代表的に示される経済水準は,とくに中所得以下の国において,社会の災害脆弱性あるいは防災抵抗力の程度を総合的に表現するマクロな指標になります.

 第二次大戦後しばらくの間日本は貧しい国でした.1950年における一人あたり実質GDPはおよそ2,000ドルで,中所得国の下位にあたる水準にありました.高度成長期直前の1960年にはこれが5,000ドル,成長最盛期の1970年には15,000ドルへと増大してきました.この貧しさからの脱却の過程で,日本の自然災害による人的・物的被害の実質規模(外力強度の違いを除いた値)は,顕著な低下の趨勢を示しました.

台風の勢力は,大きさと強さによって簡潔に表現されるので外力規模の評価が容易であり,また,台風災害の件数は比較的多いので経年変化の考察に好都合です.第二次大戦後の本土上陸台風について,上陸時の中心気圧と台風圏の広さによって求めた台風勢力で被害高(死者数および建物被害棟数)を割って得た値を被害度と表現し,これによって戦後台風災害の経年的変化を示します.

 戦後のほぼ15年間には,強い台風が頻繁に来襲し死者数の多い台風災害が多数発生しました.人的被害度もこの期間に年々かなり変動しながらも全体として高い値を示しています.これを上陸時刻別で見ると,深夜上陸台風の被害度がほぼすべて非常に高く,一方,朝~夕刻のそれは深夜のおよそ1/7で,1960年以降と大差のない低い値でした.

戦後の風水害死者数の推移で最も顕著な変化は1960年ごろを境にした死者数の急減です.これは,深夜上陸台風の被害急減によるものであり,情報・警報の伝達と避難行動の難易に関わる要因の変化がその主因であることを示しています.5千人の死者をだした1959年の伊勢湾台風よりも強かった1961年第二室戸台風が幸い昼間に来襲したこと,および1960年代前半には強い台風が第二室戸以外になかったことが,死者数の急減を際立たせました.伊勢湾大災害の教訓が全国で生かされ情報伝達・避難行動が的確に行われたことはもちろん大きく貢献していますが,災害経験は風化しやすくて,60年代後半の深夜来襲台風の人的被害度は,60年代前半のそれに比べ3倍ほどに再び増大しました.1961年には災害対策基本法が制定されましたが,これに基づいて防災の最前線を担う市町村の防災体制が整備されて被害の軽減に結びつくまでには10~20年という年月を要したはずです.非常に効果的な情報伝達手段であるテレビは,普及率が1959年の10%から1965年の80%へと,60年代前半に爆発的に全国家庭に普及していきました.生活もしだいに夜型に変わりました.このような生活環境の変化も被害の規模に関わっています.

 建物被害度の経年的低下は完全に指数関数的であり,戦争直後に比べ現在では1/100にも低下しています.人的被害度も5年移動平均で平滑化すると,1960年前後に若干の波動はあるものの,建物被害度に並行する指数関数的低下を示します.これらの推移曲線を示す図に一人あたり実質国民所得の逆数の推移を重ねて示すと,これら3曲線は全く並行的です.すくなくとも中所得国の水準にあった戦後20年間ぐらいの間は,経済水準の上昇が自然災害の被害低下をもたらした基礎的な要因であったと推定されます.

世界の自然災害被害をみてみると,死者の90%以上は低所得国で生じています.1961年以降の50年間における死者5万人以上の巨大災害は10件ありますが(防災白書の統計表による.干ばつなど統計値の不確かな災害は除く),この半分の5件は2000年以降に集中して起こっています.これらは総て低所得あるいは中所得の下位にある国で生じたものです.これに先立つ1990年代には,国連主導による国際防災10年(IDNHR)のプロジェクトが大々的に行われました.これは防災の技術移転による途上国の災害軽減を主目的としたものでした.この後の10年間における巨大災害の集中は偶然的なものなのでしょうが,自然災害の被害軽減が防災の科学技術だけの問題でないことを象徴的に示すものでもあ ります.途上国に対する防災のハイテク技術供与が役立つためには,その国の経済向上が重要な前提条件となります.先進的諸国においても,災害時緊急対策を中心とするばかりで地域社会の災害脆弱性を抜本的に低減させる長期的な取り組みがなされなければ,巨大災害発生の可能性は低下しません.Tokyoがその典型です.大災害があると,防災関連の国際的な集まりが賑やかにとり行われますが,従来と同じ感覚・認識であれば,災害はこれと無関係に同じように起こり続けるでしょう.
(水谷 武司)

自然災害情報室からのお知らせ

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編集後記

◆今月号は主に,11月に行った東日本大震災調査での雑感を主軸になりました.今回見ることができなかった宮古市姉吉地区の津波碑は,次の機会に見に行き,活かされた防災対策の事例として記録を残したいと思います.

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