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メールマガジン「自然災害情報の収集・発信の現場から」

メルマガ「自然災害情報の収集・発信の現場から」No.11(2010年12月07日発行)

◆場所によってはそろそろ積雪が見られる時期となってきました.今年は平均より高い気温であったり,急な寒波が来たりと安定しない気候が続いています.そんな中,11月30日に立山で表層雪崩の事故が発生しました.
(表層雪崩のメカニズムはこちら http://www.bosai.go.jp/seppyo/ NIED雪氷防災研究センターTOPページ→雪崩発生のメカニズム)

立山黒部アルペンルート営業最終日の今回の事故は,私もスキーをしているため,非常に衝撃的でした.被害にあわれた方々は山に慣れているパーティで,雪崩に遭ったのは,滑るために斜面を登っている最中だったようです.亡くなられた方のご冥福をお祈りします.これからウィンタースポーツのシーズンに入りますが,皆様くれぐれもお気を付けください.

余談ですが,立山では11月30日に雄山(3003m)東の御前沢雪渓に氷河の存在が高い可能性が発表されました.今後の結果が待ち遠しいですね.

★このメールマガジンはご自由にご転送ください.災害研究や防災に関心のある方々との情報交換の場にしたいと考えております.セミナー・シンポジウム などイベント情報,本や論文の紹介と書評など,読者の皆様に役立つ情報はできる限り掲載しますので,ぜひ情報をお寄せいただきたいと思います. < dil_melmaga@bosai.go.jp >までお願いします.

CONTENTS

災害発生地の今昔 <2010年10月20日奄美大島豪雨災害>

担当者は11月11日~12日奄美大島へ豪雨災害調査へ行きました.当研究所のリスク研究チームの調査に参加し,主に災害時対応を中心に聞き取りや現地視察を行いました.今回は素早い対応が目立った龍郷町戸口地区を中心に紹介します.第11号で予定していた阪神・淡路大震災その2は次号にお届けします.

龍郷町戸口地区では道路が砂利道となっていました.この地区では戸口川が決壊したため,集落の中心道路を水が流下し,その力でアスファルトがめくれ上がってしまったのでした.決壊個所は3つの川の合流点で,河川が湾曲してお
り,攻撃斜面と道路が最も接近していたために決壊しやすかったようです.聞き取りによると,過去にやはり同じ場所が決壊し,最近では戸口川の河床が以前より上昇しており,決壊の可能性も考えていたようでした.

聞き取りをしたお宅では,家の基礎を約1.2m程度底上げしてありましたが,20cm程度床上浸水していました.このお宅では隣近所に声をかけ,避難先として2世帯を自宅2階に受け入れたそうです.

戸口地区で特筆すべき点は,災害後の復旧の早さと全員が早い段階で避難することができた点です.前者は集落内にいても,臭いやゴミが目につくことがありませんでした.戸口では被災後3日間でおよそ片付けや避難所の振り分けが完了し,自衛隊が来た時には集落内の大半のゴミは片付いていたそうです.役場の迅速な指示とボランティアと集落内の壮青年会の役割分担が上手く行った成果でしょう.

後者は区長制度の働きが大きいと考えられます.戸口地区は上・中・下に地区が分かれ,それぞれに区長がいます.各区長はどの家に誰がどこにいるか平時から把握し,的確な情報を救助活動の中心となった壮青年会に伝え,救出活動に当たることができました.戸口地区では普段から積極的に地区内の交流が図られており,若い世代の居住希望者が多い地区なのだそうです.

区長制度は奄美大島各地に存在しており,今回の災害ではこの制度の働きが各地区の被害を最小限に食い止めたのだと考えられます.ボランティアの派遣なども区長を通して行われていたようです.

この制度が他地域で運用できるのかは別ですが,本件の事例から,通り一辺倒なマニュアル化された防災対策ではなく,様々な特色を持つ地域に合わせた,防災対策を考える必要があると感じました.
(鈴木 比奈子)

2010年11月に起きた主な自然災害 & トピック

特集 2010年奄美大島豪雨災害調査

◆今回の特集は,2010年10月20日発生の奄美大島豪雨災害調査です.メルマガ担当者は防災科研災害リスク研究チームと一緒に11月11日,12日と奄美大島へ豪雨災害の調査へ行きました.今回は「e-コミ」を中心に奄美大島豪雨災害調査の情報紹介をします.

奄美大島現地調査ページ

こちらにアクセスをすると現地で撮影した写真を地図上から選んで閲覧することができます.ログインをすると写真の追加や,ファイルのアップロードや共有をすることが可能です(今回紹介のページは閲覧機能のみです).写真の追加は携帯の写真付きメールで送信して登録することができるため,現地で撮影した写真をその場で送ることが可能です.デジカメの写真なども後から,地図上で登録することももちろんできます.今回の調査でも,携帯電話カメラで撮影した写真をその場で登録しています.コメントも一緒につけてあります.

◆e-コミとは?

「e-コミ」とはeコミュニティ・プラットフォーム(略称 eコミ)の略称で,当研究所が「災害リスク情報プラットフォームの研究開発」の一環として開発した,地域社会を支える新たな統合的な情報基盤です(※1).
(※1:e-コミについての詳しい説明はこちらから http://www.bosai-drip.jp/ecom-plat/e_com2.htm  )
災害リスク情報プラットフォーム研究チームのページはこちらから http://bosai-drip.jp/platform.htm

★奄美大島 収集資料の保存,提供

現地で入手した資料やその他収集資料に関しては,自然災害情報室で管理をしています.また,新聞記事も収集・保管しています.今回の災害では災害当時の写真と以下の地元紙を所蔵しています.

その他,主要5紙の新聞記事切り抜きも広報普及課からご提供いただいています.

◆調査訪問先

今回の調査でご協力いただいた訪問先は以下の通りです.お忙しい中,ご協力いただきありがとうございました.

室長コラム <災害情報について考える>第3回 「災害情報の保存・継承の重要性」

災害情報に関するこのコラムはできるだけ系統的に書く予定であったが,なかなか,思い通りには展開できない.今回は情報保存研究会が主催する情報の保存とデジタル化のシンポジウムに参加したことを受け,災害情報を次世代に残していく意義と方策について述べてみたい.

災害の発生予測の一つの手段として過去に発生した証拠となる情報を集めて将来の長期予測をすることが行われている.東海・東南海,南海地震がいつ頃起きるかといった推測には,各地で記録され,現代まで継承された過去の地震の被害記録によるところが大きい.

そういった意味で,これまでに収集・蓄積された災害情報はもちろん,今後起きる現代の災害記録についてもきちんと次世代に残していく意義は大きいと考えられる.

自然災害情報室の責務には,災害情報の収集と提供に加えてその整理と保存が掲げられている.そういった業務は地道で外からほとんど見えない作業であり,情報が活用される時が来るまではなかなかその意義は理解されにくい.

先日,資料保存研究会が主催する情報の長期保存とそのデジタル化に関するシンポジウムに参加した.

酸性化する紙資料の長期保存や修復,乾板やフィルムに記録された写真の劣化防止,そしてそれらのデジタル化など多岐にわたる技術の紹介とともに,公文書館や国会図書館の資料保存とデジタル化の取り組みが紹介された.展示・実演会場が併設されており,技術的な対応手法についても最新の情報収集を行なってきた.

「情報」は何らかの媒体上に記録されなければ,それを見たり読んだり残したりすることができない.その媒体が劣化したり損なわれるとその上に記録された情報は失われてしまう.以前は紙・フィルムなどが媒体の中心であった.紙
やフィルム媒体の長期保存の方策は温度湿度の管理や酸性化対策が重要であり,後回しにできない問題であることを痛感した.

先日も46年前の新潟地震の被害状況を網羅した空中写真フィルム原版をスキャンするために取り出したが,フィルムの加水分解がかなり進行し,フィルムが波打った状況まで,変質が進み対策が急務であることを痛感した.この当時の災害直後の空中写真の原フィルムの多くは防災科研にしか保管されておらず,極めて貴重である.

また,今後はHD,DVDなど現時点では寿命が短い媒体に移行されつつあるが,当面は大量の紙やフィルム媒体の資料のデジタル化から取りかかる必要があり,これまた手間暇と費用を要する作業であり,なかなか進めることが難し
い.

早急に何らかの手を打たないと後世に禍根を残すことになりかねないと改めて自然災害情報室の責務を痛感しているところである.

なお,今回のシンポジウムを主催した情報保存研究会では,過去のセミナーの講演記録もアーカイブされており,その中にはアーカイブすることの根本的意義についての講演記録もあり,非常に感銘を受けたので,そのURLを書き記す.
(井口 隆)

読者からの情報提供コーナー

◆日本地理学会
『日本における亜高山・高山域の植生・環境変遷史』研究グループ公開シンポジウムのおしらせ(専修大学苅谷先生からの情報提供)

日本地理学会「日本における亜高山・高山域の植生・環境変遷史」研究グループ(代表:千葉大学園芸学部・沖津 進)では,下記の要領で公開シンポジウムを開催することにいたしました.

テーマ:日本における亜高山・高山域の植生・環境変遷史
日時:2010年12月11日(土) 10:00~17:00(予定)
会場:信州大学理学部(松本市)
主催:信州大学山岳科学総合研究所
日本地理学会「日本における亜高山・高山域の植生・環境変遷史」研究グループ

問い合わせ先:専修大学・苅谷 kariya@isc.senshu-u.ac.jp <@を半角にしてください>
http://www.ajg.or.jp/ajg/2010/10/-1.html

◆1.17ひょうごメモリアルウォーク2011の参加者募集について(兵庫県企画県民部防災企画局復興支援課からの情報提供)

阪神・淡路大震災から16周年を迎える平成23年1月17日(月)に,交通機関が途絶した大震災時の追体験を行い,風化しがちな防災意識を新たにするとともに,来るべき災害に備えるため,震災モニュメント巡りや緊急時の避難路,
救援路として整備されている山手幹線等を歩く「1.17ひょうごメモリアルウォーク2011」を実施します.多くのご参加をお待ちしています.
http://www.19950117hyogo.jp/gathering/index.htm

日時:2011年1月17日(月)
  (1)メモリアルウォーク:受付7:30~
    (コースによって出発時間が異なります)
  (2)ゴール会場での催し:10:30~17:00
主催:ひょうご安全の日推進県民会議〔会長(兵庫県知事)井戸 敏三〕
参加費:無料

プログラム:
(1)メモリアルウォーク
阪神・淡路大震災時を思い起こしながら緊急時の避難路等を歩き、風化しがち
な防災意識を新たにするとともに、震災の経験と教訓を次世代に伝える。
【東15kmコース】集合:西宮市役所     受付:7:30 出発:8:00
【東10kmコース】集合:芦屋市川西運動場  受付:8:00 出発:8:30
【東2kmコース】集合:王子公園      受付:10:0 出発:11:00
【西15kmコース】集合:須磨海浜公園    受付:7:30 出発:8:00
【西10kmコース】集合:県立文化体育館   受付:8:00 出発:8:30
【西5kmコース】集合:神戸市立中央体育館  受付:9:30 出発:10:00
※ゴールは全てHAT神戸。同所で追悼行事や交流イベントも実施(10:30~
17:00)
(2)ゴール会場での催し
1.1.17のつどい
会場:人と防災未来センター 慰霊のモニュメント前
(神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5-2)
内容:黙とう、献唱、1.17ひょうご安全の日宣言、献花など
2.交流ひろば・ステージ
会場:なぎさ公園(人と防災未来センター南側)
内容:防災啓発展示、炊き出し、ミニコンサートなど
3.防災訓練
会場:なぎさ公園
内容:参加型防災訓練、海上防災訓練の見学など

※雨天でも実施しますが,神戸市,芦屋市,西宮市に,暴風,大雨,大雪警報
が発令された場合は,催しを中止します.中止する場合は,ラジオ関西で午前
5:59及び午前7:59に中止する旨を放送するとともに,ひょうご安全の日公式サ
イト( http://www.19950117hyogo.jp )に掲示します.

申込方法:所定の参加申込書により,郵送またはFAXで下記7までお申し込
みください.ただし当日申込の場合は,所定の参加申込書により,各スタート
会場受付へお申し込みください.参加申込書は下記からダウンロードできます.
http://web.pref.hyogo.lg.jp/contents/000167480.pdf
申込締切:2011年1月17日(日)当日
※事前申込み(1月12日(水)まで)にご協力ください.

問い合わせ先:ひょうご安全の日推進県民会議事務局
〒650-8567 神戸市中央区下山手通5丁目10-1 兵庫県復興支援課内
電話 078-362-9984 FAX 078-362-4459・9876

学会・イベント情報

自然災害に関連する学会・イベント等の情報です.参加申し込みが締め切られているものもありますので,ご注意ください.

◆第3回災害リスク情報プラットフォーム研究プロジェクトシンポジウム
「eコミュニティ・プラットフォームの現在と未来 ~「知」と「絆」で高める地域防災力~」

本シンポジウムは,第1部(午前)は,eコミュニティ・プラットフォームの開発コンセプトや既にオープンソースとして公開中のシステムの紹介,同プラットフォームを用いた全国各地の取り組みの概要を紹介します.
第2部(午後の前半)は,同プラットフォームを利用して実施した「e防災マップコンテスト」の受賞作品を具体的に紹介しながら,シンポジウム参加者の皆様に実際に同プラットフォームを体験していただく参加型セミナーを開催します.
第3部(午後の後半)では,住民組織やそれらの活動を補完するNPOや社会福祉協議会,コミュニティFM局の方々を迎えたパネルディスカッションを実施し,来場者やインターネットの参加者と共に,平時の地域コミュニティの自治や地
域経営,地域の魅力を高める地域プロデュースの実践,さらには,地域の災害リスクガバナンスの高度化の視点から,同プラットフォームの利活用の可能性や社会システムとして運用上の課題について討論します.

日時:2010年12月9日(木)10:00~17:00 (開場 9:30)
会場:東京国際フォーラム ホールD5
主催:独立行政法人防災科学技術研究所 BOSAI-DRIP
参加費:無料
対象:行政(地域防災,市民自治・協働,コミュニティ政策,情報政策,企画,まちづくりなどのご担当),地域コミュニティ(自治会や地域経営を担うコミュニティ組織),NPOはじめとする市民活動団体や中間支援団体,地域企業,コミュニティ放送局,社会福祉協議会などの方々

当日,Ustreamによる動画生配信を行う予定です.
http://www.ustream.tv/user/bosai-drip

詳しくはシンポジウム特設サイトをご覧ください.
http://bosai-drip.jp/sympo2010.htm

◆TSUNAMI 防災シンポジウム「あなたの命を守りたい ~情報時代のチリ地震津波~」
http://www.city.sendai.jp/syoubou/bousai/tunami-sinpo/index.html

2月27日にチリ沿岸で発生した地震に伴う遠地津波は,わが国の津波防災対策に多くの教訓を残しています.一方,地震・津波の常襲地域に住む私たち日本人にとって,千島列島沖から南海エリアの海溝型地震による近地津波への備えは非常に重要な課題です.今回,遠地津波の教訓を知ったうえで,近地津波に対する必要な備えを学んでみませんか.

日時:2010年12月19日(日)13:00~16:30
会場:仙台市戦災復興記念館 記念ホール
定員:270名
共催:日本災害情報学会,日本自然災害学会,国土交通省東北地方整備局,
気象庁仙台管区気象台,国土地理院東北地方測量部,仙台市
締め切り:2010年12月3日(金)当日消印有効

プログラム:
基調講演 河田惠昭 日本災害情報学会会長(関西大学 社会安全学部長)
シンポジウム
司会:山﨑登 NHK解説副委員長
第1部 2010年チリ地震津波に関する報告
第2部 パネルディスカッション
今村文彦 日本自然災害学会会長
(東北大学 災害制御研究センター長)
田中淳  東京大学 総合防災情報研究センター長
根本宣彦 東北放送 アナウンス部次長
越智繁雄  内閣府参事官(地震・火山・大規模水害対策担当)
橋本徹夫  気象庁仙台管区気象台技術部長
佐藤和文  仙台市消防局防災安全部長
熊谷順子※)国土交通省東北地方整備局企画部防災課長
※)2010年チリ地震津波に関する報告のみ出席

問い合わせ先 仙台市消防局防災安全課  ℡022-234-1111

◆第47回自然災害科学総合シンポジウム
主催:京都大学防災研究所 自然災害研究協議会
日程:平成22年12月20日(月)
場所:東京工業大学蔵前会館 ロイアルブルーホール
    東京都目黒区大岡山2-12-1 (TEL&FAX 03-5734-3737)
参加費:無料
http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/ndic/contents.html

プログラム:
開会挨拶 自然災害研究協議会議長 矢田部龍一
(愛媛大学大学院理工学研究科教授)

【平成21年度科学研究費補助金・特別研究促進費による突発災害調査研究】
司会 藤田正治(京都大学防災研究所教授)
「平成21年7月の豪雨による防府地域の土砂災害と防災対策に関する研究」
研究代表者 羽田野袈裟義(山口大学工学部社会建設工学科教授)

【平成22年度重点推進型共同研究:突発災害時における初動調査体制拡充および継続的調査研究支援システムの試行】
「2008年岩手・宮城内陸地震において地盤の非線形応答が低層RC造建物の被害に与えた影響」
三辻和弥(山形大学地域教育文化学部准教授)
「2009年7月下旬の中国・九州北部豪雨の気象状況 -2009年7月19日~26日の豪雨-」
守田 治(福岡大学環境未来オフィス教授)

【企画:自然災害総合研究班発足から50年】
司会 間瀬 肇(京都大学防災研究所教授)
「自然災害総合研究班から自然災害研究協議会へ:50年の歩みを振り返って」
寶 馨(京都大学防災研究所教授)
【平成22年度京都大学防災研究所重点推進型共同研究(22N-02)】
「多分野の研究者との連携およびステークホルダーとの協働による新たな総合的災害観測・調査・防災研究推進の枠組みに関する検討」
司会 西上欽也(京都大学防災研究所教授)

重点推進型共同研究の趣旨説明
研究代表者 岡田憲夫(京都大学防災研究所教授)

1)環境・社会構造変化に伴う新たな研究課題解決を目的とした多分野の研究者の連携による新たな共同研究・災害観測・調査体制の構築
「気候変動に伴う極端気象に強い都市創り -研究プロジェクトの概要について-」
三隅良平(独立行政法人防災科学技術研究所 主任研究員)
「首都直下地震防災・減災特別プロジェクトで見えてきたもの」
酒井慎一(東京大学地震研究所准教授)

2)災害軽減に関わる様々なステークホルダーとの協働による研究フレームの構築(フィールド科学の構築)
「市民の目で見た防災研究」
所澤新一郎(共同通信社会部)
「減災に取り組む市民活動」
池上三喜子(財団法人市民防災研究所)

3)ユビキタス社会における災害情報の蓄積・配信手法および研究者ネットワーキングのあり方
「『今』を把握するウェザーリポート、その現状と可能性について」
内藤邦裕(ウェザーニュース)
「世界への防災授業の発信 -WIDE University, School of Internetの試み」
大川恵子(慶応大学)

総合討論・まとめ  牧 紀男(京都大学防災研究所准教授)

閉会挨拶     盛川 仁(東京工業大学大学院総合理工学研究科准教授)

閉会後,平成22年度第2回自然災害研究協議会を開催.

◆2011年 復興・減災フォーラム
http://www.fukkou.net/research/symposium/20110108.html
災害は,社会が抱える病巣を一気に顕在化してみせる.孤独死,アルコール依存症,自殺,急速な過疎化,地場産業の衰退,限界集落・消滅集落の増加,治山・治水力の後退‥‥‥‥。これらは,災害によって脆弱な階層・脆弱な地
域の危うい均衡が壊されたことによる負の回答といえるだろう.これらを硬直的な防災教育や既存の復興支援策で解決しようとしたところに問題が残された.われわれは地道だが,今こそコミュニティと脆弱な階層を支える「地域力」「市民力」「統治力」を育てるための議論を始めなければならない.

日程:2011年1月8日(土)~10日(月・祝)
会場:8日(土)10:00~15:00
関西学院大学西宮上ケ原キャンパス F号館102号教室
9日(日)15:00~18:00
関西学院会館 風の間
10日(月)10:00~17:00
関西学院会館 レセプションホール
主催:関西学院大学災害復興制度研究所
共催:日本災害復興学会 (8~9日)
後援:朝日新聞社 (10日

プログラム:
■ 8日(土)研究報告
■ 9日(日)全国被災地交流集会
■10日(月)シンポジウム 「今、問い直そう~原日本の再生サイクル」

応募方法:
参加ご希望の方は住所・氏名・連絡先・傍聴希望日を明記の上、下記宛に郵便、FAXまたは研究所公式HPの「お問い合わせ」ページにてお申し込みください。(入場無料)
〒662-8501
兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155 関西学院大学災害復興制度研究所
URL:http://www.fukkou.net/
FAX:0798-54-6997
http://www.fukkou.net/research/symposium/files/20110108.pdf

※会場の都合上、9日は定員70名、10日は定員150名になり次第、締め切らせていただきます(8日は申込み不要)。
なお、お申し込み時点で、既に受付が終了していた場合は、その旨折り返しご連絡させていただきます。参加証等は発行いたしませんので当日は直接会場までお越しください。

◆砂防学会特別シンポジウム「深層崩壊を考える」
http://www.jsece.or.jp/news/2010/201011-4.pdf

目的:最近注目を集めている深層崩壊について,これまでの研究の成果から深層崩壊の実態を明らかにするとともに,その多様性について議論し,今後の対策の方向,研究の方向を探る.

日時:2011年1月18日(火)13:30~17:00
場所:東京大学 弥生講堂
東京都文京区弥生1-1-1 東京大学農学部内
主催:(社)砂防学会
後援:(社)日本地すべり学会(予定),(社)地盤工学会(予定),日本災害情報学会(予定),(社)全国治水砂防協会(予定),(財)砂防・地すべり技術センター(予定),(財)砂防フロンティア整備推進機構(予定)
シンポジウム参加費:無料(会員、非会員とも).非会員の方の参加も歓迎します.
シンポジウム終了後、意見交換会(有料;3千円)(17:30~19:00)を予定しています.意見交換会参加希望者は当日,受付で申し込まれて費用をお支払い下さい.
事前申込み:シンポジウム・意見交換会とも不要.
問い合わせ先:東京農工大学大学院農学研究院 石川 芳治
E-mail : y_ishi@cc.tuat.ac.jp <@を半角にしてください>
FAX : 042-367-5826

◆地震防災フロンティア研究センターシンポジウム ~阪神・淡路大震災を今の災害に生かす~

防災科学技術研究所地震防災フロンティア研究センター(EDM)は,阪神・淡路大震災を契機として設立され,兵庫県の防災拠点であるHAT神戸で研究を行ってきました.シンポジウムでは,研究成果を一般市民の方に理解していただくための参加型イベント(1月27日),EDMにおける第2期中期計画期間5年間の総括(1月28日)を行います.

日時:平成23年1月27日(13:00 ~ 17:00)及び28日(9:30 ~ 13:30)
会場:よみうり神戸ホール(神戸市中央区栄町通1-2-10 読売神戸ビル2階)
主催:(独)防災科学技術研究所地震防災フロンティア研究センター
後援:公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構
参加費 : 無料.
問い合わせ
(独)防災科学技術研究所地震防災フロンティア研究センター
塩飽(しわく)・矢田まで
TEL:078-262-5525 E-Mail:sympo@edm.bosai.go.jp <@を半角にしてください>

◆防災科学技術研究所第7回成果発表会 ―防災研究 5年間の総括―

当研究所は,2001年4月に独立行政法人という組織に生まれ変わりました.独立行政法人になってからは,5年毎の「中期計画」に従って研究所の業務が進められるようになり,今年度は第2期の5年間が終了する節目の年になります.
そこで,この5年間の研究活動についてご報告するため,「防災科学技術研究所第7回成果発表会 ―防災研究 5年間の総括―」を下記のように開催します.

日時:2011年2月25日(金) 13:00~17:55
場所:東京国際フォーラム・B5ホール
主催:防災科学技術研究所
(プログラム,参加申込み方法等の詳細は,決まり次第,下記Webページにてご案内します.)
http://www.bosai.go.jp/koho/event/seika7/index.html

◆防災研究フォーラム第9回シンポジウム 「防災科学技術による国際貢献を考える」

世界の自然災害被害を軽減するために,我が国では様々な取組が行われていますが,関係者間の情報の共有や連携を進める仕組みは必ずしも十分とは言えないのが実情です.防災研究フォーラムでは,オールジャパンとして,より効果的に世界の自然災害被害軽減に資する仕組みを探るために,「防災科学技術による国際貢献を考える」というテーマで第9回シンポジウムを開催します.ご関心のある方々の参加をお願いいたします.

日時:2011年3月12日(土) 10:30~17:40
場所:東京大学情報学環 福武ホール・ラーニングシアター
主催:防災研究フォーラム
(プログラム,参加申込み方法等の詳細は,決まり次第,下記Webページにてご案内します.)
http://dprf.jp/sympo/20110312/index.html

新刊情報  最近出版された災害・防災関連図書を紹介します.

★みんなで知っ得「助かる」「助ける」 : 視覚障害者のための防災対策マニュアル
【出版者】日本盲人社会福祉施設協議会情報サービス部会【発行年月】2010.9

★余震の影響を考慮した建物被害予測手法の研究 (地震保険研究 23)
【出版者】損害保険料率算出機構    【発行年月】2010.9

★みんなでひなんくんれん (おひさまこんにちは : 年少向)
【著者】しらかたみお脚本・絵
【出版者】童心社    【発行年月】2010.9.
【価格】1400円        【ISBN】9784494090945
<紙芝居>

★ここはじょんでぇら : 震災を経験した小千谷市十二平集落の道標
【著者】十二平集落記録誌編集委員会編 福留邦洋監修
【出版者】十二平を守る会   【発行年月】2010.10.

★地震と地盤の液状化―恒久・本設注入によるその対策
【著者】東畑郁生 米倉亮三 島田俊介 社本康広
【出版者】インデックス出版   【発行年月】2010.10.28
【価格】¥3,150 (税込)   【ISBN】9784901092685

★テキスト ランドスケープデザインの歴史 【著者】武田史朗 , 山崎亮
【出版者】学芸出版社  【発行年月】2010.10
【価格】3,360円(税込)   【ISBN】9784761531874

★利根運河120年の記録 魅力ある土木遺産(流山市立博物館調査研究報告書27)
【編者】流山市教育委員会 , 流山市立博物館
【出版者】流山市教育委員会   【発行年月】2010.10.

★利根川舟運と利根運河 平成22年度企画展 【編者】千葉県立関宿城博物館
【出版者】千葉県立関宿城博物館  【発行年月】2010.10.

★眠りにつく太陽 地球は寒冷化する  【著者】桜井邦朋
【出版者】祥伝社  【発行年月】2010.10
【価格】777円(税込)    【ISBN】9784396112158

★学びなおすと地学はおもしろい 【著者】小川勇二郎
【出版者】ベレ出版    【発行年月】2010.10
【価格】1,575円(税込)   【ISBN】9784860642709

★海のプロフェッショナル 海洋学への招待状
【著者】窪川かおる編 女性海洋研究者チーム著
【出版者】東海大学出版会    【発行年月】2010.11
【価格】1,260円(税込)   【ISBN】9784486018810

★エルニーニョ・ラニーニャ現象 地球環境と人間社会への影響
【著者】気候影響・利用研究会
【出版者】成山堂書店    【発行年月】2010.11
【価格】3,990円(税込)   【ISBN】9784425511532

★基礎地球科学 第2版
【著者】西村祐二郎編著 鈴木盛久ほか著
【出版者】朝倉書店     【発行年月】2010.11
【価格】2,940円(税込)   【ISBN】9784254160567

★ビジュアル版 世界の地図の歴史図鑑 ― 岩に刻まれた地図からデジタルマップまで
【著者】ショート,ジョン・レニー著 小野寺淳 大島規江監訳
【出版者】柊風舎    【発行年月】2010.11.15
【価格】定価: ¥13,650 (税込)  【ISBN】9784903530406

防災コラム <防災科学の基礎知識>

第十一回 火山の地形と噴火災害の危険性

地球上で活動的火山が分布する地域は,プレートの生産・分離境界(大洋の海 嶺軸,大陸の地溝帯),沈み込みプレート境界(島弧,活動的大陸縁),およ びプレート内部に孤立したホットスポットです.生産・分離境界およびホット スポットはマントル内での大規模な対流の上昇部にあたり,低粘性の玄武岩質 マグマが大量に噴出します.海嶺のほとんどは海面下ですが,これが海面上に 出ているところがアイスランドです.ホットスポットの代表例はハワイ島で, ここには地球上で最大の火山があります.沈み込み境界は環太平洋域(接続す るカリブ海およびインドネシア周辺海域を含める)にほぼ限られ,活火山の80 %はこの環太平洋域に分布します.沈み込み境界では,海洋プレートによって 持ち込まれる大量の水による融点降下,融点の低い大陸地殻(花崗岩質)への 高温マグマの混入などによって,高粘性の珪長質マグマが形成されます.

火山は火砕物(火山灰・火山弾などマグマ粉砕物の総称)や溶岩が運搬され堆積してできた地形です.運搬は噴火の力により行なわれるので,噴火の様式が火山の地形・構成物質・堆積構造などをほぼ決めています.噴火は,溶岩溢れ出し噴火 と爆発的噴火の2様式に大別されます.溶岩溢れ出しは見掛けは華々しいものの,比較的穏やかな噴火です.これに対し爆発的噴火では,大量の熱エネルギーと火砕物が一気に放出されて,噴石・火砕流・山体崩壊など様々な災害現象が生じ,大きな被害をもたらします.噴火が爆発的になるか否かは,粘性やガス(大部分がh3O)含有量などマグマの性質によってほぼ決まります.マグマの粘性率は珪酸が多いほど大きく,また温度が高いほど小さくなります.珪酸は重合して糸のようになり,網状の構造を作って粘性を大きくするのです.

マントル上部の溶融によって形成されるマグマは玄武岩質です.このマグマは1200℃ほどの高温であり,珪酸含有量が30~40%と比較的少なくて,粘性率が小(水の数百万倍)です.生産・分離境界ではこの玄武岩質溶岩が溢れ出す噴火を行います.沈み込み境界では,より低温(900℃程度)で珪酸含有量の多い(60~70%),したがって粘性率の大きい(玄武岩質に比べ6~8桁大)珪長質マグマが形成されます.これが固化すると流紋岩や石英安山岩になります.珪酸含有量が50%ほどのものは安山岩で,日本の火山の70%はこれです.

マグマが地表近くまで上昇してくると冷却と圧力低下により結晶が次第に成長してきます.残りの液相の部分ではガス成分が多くなり,その発泡によってマグマ上部のガス圧が増大します.ガス成分の大部分は水で,これを多く含むマグマはガス圧が高くなります.高粘性であるとガス成分は容易には外へ逃げ出せません.したがって珪長質マグマではガス圧が高くなります.マグマが火口近くへ上がってきてガスの発泡が進み急激に体積を膨張させると,マグマ片とガスの混合物は火口から激しく噴出し,爆発的噴火になります.ただし,ガス成分が多くてもその脱出・分離(脱ガス)が効率的に進めば,爆発には至りません.

火山の形は噴火様式を反映しています.火口から溢れ出た低粘性の玄武岩質溶岩流は遠くまで広がり流れてなだらかな盾状火山をつくります.大量の溶岩が長い割れ目状火口から溢れ出すと,広大な玄武岩台地が出現します.爆発的噴火では,噴き上げられた火砕物が火口近くほどより多く降下・堆積する結果として,円錐火山がつくられます.安山岩質マグマの場合,火砕物噴出と溶岩流出とが生じ,これが非常に多数回繰り返されて成層火山が形成されます.火口の位置が変わらないときれいな富士山型になります.溶岩の流出が多いと丸みを帯びずんぐりとした山体がつくられます.粘性率の非常に大きい石英安山岩質の場合で脱ガスが効率的に進むと,溶岩はほぼ固った状態で押しあがり,溶岩円頂丘が出現します.大規模な火砕流が生じると大きなカルデラと火砕流台地が形成されます.
(水谷 武司)

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